■ベト病
英語:ダウニー・ミルデュ
フランス語:ミルデュ
病原菌:プラズモパラ・ピチコラ
最初の被害が発見された年度:1878年
症状:葉や花、果実に白いカビ状の胞子が形成され、落花、落葉、落果させる。
有効な対策:
ボルドー液 英語:ボルドー・ミクスチュア フランス語:ブイィ・ボルドレーズ
ボルドー液の作り方:硫酸銅+生石灰+水
■灰色カビ病
英語:グレー・モールド
フランス語:プリチュール・グリース
病原菌:ボトリティス・シネレア
症状:灰色のカビを生じ、赤ワインの着色不良・不快なカビ臭をつける
有効な対策:イプロジオン水和剤
灰色カビ病の原因となるボトリティス・シネレア菌は、極上甘口ワインの原料である貴腐ブドウを作るきっかけともなる。貴腐は英語でノーブル・ロット。フランス語ではプリチュール・ノーブル
■ウドンコ病英語:パウダリー・ミルデュ
フランス語:オイディウム
病原菌:エリシエフェ・ネカトル
伝播した年度:1850年ごろ、ヨーロッパへ伝播。
症状:ブドウが白い粉状の胞子で覆われる。ぶどう果粒は裂かれ、果粒はミイラ化あるいは腐敗する。
対策:硫黄を含んだ農薬の散布、ベンレート(ベノミル剤)による殺菌
■晩腐病別名:ライプ・ロット
病原菌:グロメレラ・シングラータ
日本では、ブドウ病害被害中最大のもの。
症状:初期は淡褐色の病斑、しだいに紫褐色となり果実は腐敗・ミイラ化する。
降雨(雨)により拡散する。
対策:休眠期にベンレート(ベノミル剤)などを散布する。
■ウィルス病
代表的なもの:
ブドウリーフロール(葉巻病)フレック
コーキーバーク
対策:成長点培養によるウィルスフリーのブドウ苗の育成
(苗木の茎の先端組織を切り取り、無菌状態で成長させたのち、畑に移す方法)
なお、「ピアス病」はウィルスではなく細菌による病害である。
■フィロキセラ
発生年度:19世紀中頃。アメリカからヨーロッパに伝播
対策:フィロキセラに耐性を有する北米系種をベースとした接木苗が用いられる。